為替予約
為替(Money order)
金銭を決済するサービスは大きくわけると2つある。
- 現金輸送
- 現金以外(為替手形、小切手、郵便為替、銀行振込) ←これを為替という
つまり、現金輸送を伴わない決済サービスのことを為替といいます。
距離が近ければ、現金を渡しやすい(が手間やリスクはある)。遠隔地の場合、現金を直接送付するのはリスクがある。
為替は2種類に分けられる。
- 内国為替
- 外国為替
「内国為替」は文字通り、国内の遠隔地で行われる債権・債務の決済を、金融機関が現金の輸送を行わずに決済する方法である。「外国為替」は、通貨が異なる国際間の貸借関係を、現金を直接輸送することなく、為替手形や送金手形などの信用手段によって決済することである。
一般的に「為替」と言った時には「外国為替」をさします。外為(がいため)と呼ばれることもあります。
参考
全国銀行データ通信システム(全銀システム)のことを、特に内国為替制度と呼ぶ場合もある。全銀システムでは、日本国内のすべての銀行の貸借関係が相殺され、過不足が日銀当座勘定で清算される。
日本国内の銀行間の送金に際して、振り込む(仕向け)銀行が振り込まれる(被仕向け)銀行に対して、手数料を支払っている。この手数料は「銀行間手数料」という名前であったが、全銀ネットは2021年10月から「内国為替制度運営費」という制度を新設し、手数料の水準を引き下げた。
過去の銀行間手数料は銀行間の個別協議により定めるとされているが、実際には3万円未満の振り込みの場合117円(税抜き)、3万円以上の場合は162円(税抜き)で40年以上据え置かれていた。「内国為替制度運営費」の導入で振り込む銀行から振り込まれる銀行に支払う費用を1件当たり62円となった。62円に振り込む銀行の費用や利益を加えた金額が、消費者が支払う振込手数料となる。振り込む銀行がいくら上乗せするかは、各行がそれぞれの経営戦略や事業戦略に基づいて決めている。
2023年10月10日、銀行間送金を担う「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」で発生した不具合では、中継コンピューター(RC)に備える内国為替制度運営費(旧銀行間手数料)が設定されているかどうか、そもそも設定自体が間違っていないかなどをチェックする機能に不具合が生じた。
三菱UFJ銀行のオンラインバンキングのBizStationの契約をする際に、内国為替手数料(消費者が支払う振込手数料)の引き落とし方法を2つから選択する必要があった。
- 資金引落口座から振込指定日に引落
- 代表口座兼サービス指定口座から後日一括引落(月末締め・翌月18日に引き落としとなります。)
外国為替(foreign exchange)
通貨を異にする国際間の貸借関係を、現金を直接輸送することなく、為替手形や送金小切手などの信用手段によって決済する方法をいう。
狭い意味では、外国為替の手段である具体的な外国為替手形や送金小切手のことを指す。外国為替相場のことを指すこともある。
外国為替相場とは、為替レートのことである。外国為替の取引では、必然的に「自国通貨と外国通貨とを交換する」ことになる。その交換比率を為替レートという。直物為替と先物為替がある。
銀行の外国為替業務と言った場合、外国為替相場が関わる外貨現金との両替業務(外貨現金の直接輸送があることが前提)や、外貨預金に関わる業務(国際間の貸借関係を必ずしも前提としない)を含めることが多い。「外為(がいため)」と略称で呼ばれることも多い。
外国為替は銀行間の口座振替によって、実際に現金を送ること無く送金や貿易を行うことをその特徴とする。その形態には「送金為替(もしくは並為替)」と「逆為替(もしくは取立為替)」がある。
送金為替は、外国へ送金する場合に、現金ではなく、手形を郵送する方式。
逆為替は、主に貿易で利用される。
東京の輸入業者A。中国の輸出業者B。BはAに対して1万ドル相当の財を輸出するする契約を結ぶ。輸出財を郵船会社が預かる際に「船荷証券」が発行されて輸出業者Bに渡される。Bは船積書類(船荷証券、荷物にかけた保険証券など)を添付して、輸入業者Aを支払人、b銀行b支店を受取人とした1万ドルの為替手形を発行し、b銀行本店に持ち込む。b銀行はaの取引銀行から信用状の交付が済んでいればBに対して現金を支払う。船積書類を添付された為替手形(荷為替手形という)は、b銀行本店からa支店に郵送され、a支店から連絡を受けた輸入業者Aは1万ドルを支払って船積書類を受け取り、郵船会社に船荷証券を提示して輸入財を手にする。
為替予約
外国為替相場(為替レート)は変動するために、売掛金や買掛金は為替変動リスクにさらされる。決済時の為替レートがわからないので、損益が増減する。為替予約は、取引銀行とあらかじめ為替レートを確定することができる。為替予約を利用することによって、将来の為替変動の影響を防止できるメリットがある。為替予約は為替相場の変動による不確実性(リスク)を回避(ヘッジ)するために行われます。
先物予約は、為替変動リスクの軽減に有効な手法であり、予約実行時点で取引採算が確定できるというメリットがあります。しかし、一度予約すると原則、取消ができず期日に受け渡しの義務が生じます。先物予約には確定日渡しと期間渡しがある。
一度契約した「為替予約」は、取り消すことができません。期間内に、契約した金額は使い切る必要があります。「為替予約」は、銀行との間で外貨決済を行うときの為替レートを予め決める「売買取引」と規定されます。
確定日渡し
確定日渡しは、たとえば2月13日渡しというように予約の実行日を特定します。たとえば銀行が企業から持ち込まれる輸出荷為替手形の買取りを行う日、または外貨定期預金の預入・満期解約などの外貨の支払期日や、外貨の受領日が事前に確定している外国為替取引に利用されます。
期間渡し
期間渡しは、たとえば輸出入契約の締結後、受け払いする外貨建て代金の決済時期が特定日に確定できない場合や、数日間の着金のずれ込みや前倒しで支払を実行するなどの事態が予想されるような場合に利用されます。たとえば「2月渡し」といったカレンダーベースでの決め方を「暦日渡し」と呼んでおり、その暦の1日から月末までの期間であれば、銀行の休業日を除き、いつでも予約の実行ができます。
為替レート
為替レートは大きく直物レートと先物レートに分かれます。
- 直物為替レート(スポット・レート)取引日から2営業日後に通貨の受け渡しが行われる為替レート
- 先物為替レート(フォワード・レート)2営業日よりも後に(例えば30日後に)通貨の受け渡しが行われる為替レート
取引日レート:SR(Spot Rate、直物レート)
HR(Historical Rate)
決算日レート:CR(Current Rate)
予約レート:FR(Forward Rate)
期中平均レート:AR(Avarage Rate)
為替予約にかかる会計処理
3つあります。
- 独立処理(原則)
- ヘッジ会計(繰延ヘッジ)(例外、容認されているヘッジ会計)
- 振当処理(例外、当分の間だけ容認されている)
簿記2級では振当(ふりあて)処理のみ。
取引発生時に為替予約を付した場合
振当処理は、為替予約を付している場合は決算において換算替えは行いません(予約レートのまま)。為替レートは確定されているため、決済時も換算差額(為替差損益)は生じません。
取引発生後に為替予約を付した場合
取引発生時の直物レートと、為替予約時の予約レートの差(直先差額)を換算替えします。
本来は、取引発生時の直物レートと、為替予約時の直物レートの差(直直差額)を換算し、直先差額については期間配分を行うが、簡便な方法(すべて当期の損益とする方法)の振当処理が認められる。
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